Diner対談

第1回
松本 今日1番聞きたいことは、まずこのタイミングでCLASSICS(クボタタケシ ミックステープ)がCDで再発されたということと、あと、クボタさん、これから何か動きがあるんじゃないかって思ってて
クボタ なるほどね
松本 そもそもの出会いは、週末Dinerに俺たちが誘ったんだよね
クボタ そうです。誘っていただいて
松本 誰経由で?
庄司 俺は、カクバリズムの社長さんに番号とアドレス聞いて。「午前中と昼過ぎは電話厳禁だ。夕方にかけろ
って言われた。(笑)」
クボタ 何だろうね?(笑)そんなのないよ。勝手に彼の中で決めてたんだろうね
庄司 俺がクボタさんに電話するって流れになって。めっちゃ緊張したよね
クボタ 緊張してる感じ、なかったけどね
松本 クボタさんってそもそも、一見の客というか、DJイベントの時に突然コンタクトとってきた人のイベントって、基本的に出ることにしてるんですか?
クボタ 内容とか条件によって。あとは、その人と話してみて良ければ全然出る。まぁ、たまに不思議なのもいるけどね。今1番多いのは、チャリティーという名の…みたいな。こういうときなんでね。ほんとに昔から一緒にやってる人らで実際やったこともあるし、全然いいんだけど、俺もこれで食べてるからね
松本 ちなみにダイナーの、福岡、名古屋、大阪、仙台でDJしてもらった時の印象としては、有りだったんですか?
クボタ いやぁ、有り有り。逆に、普段自分がやってるところに来ないお客さんが9割9分だね
庄司 そうっすよね
クボタ 凄いやる気が起きたっていうの?「やってやる~!
って。すごい挑戦できたから楽しかった。」松本 すごい嬉しいっす
庄司 単純に音楽好きで始まってたりするから、バンドファンのお客さん多めだっていうのもあるけど、広げられる場でもあるんじゃないかな、と。サロンじゃないけど、そういう場であればいいなって思う。ただ、バンドのお客さんが来て、バンドが出てるっていうんじゃなくって。バンドがツールじゃなくて音楽がツール。そういう場だったっていうのが1番クールだなって思う。啓蒙しようとかそういうわけじゃないんだけど、でも俺らが単純に呼びたかったってのもあるけどね
松本 9割9分アウェイの状況でやってみて、印象で違いはあったんですか?ここでバンドのお客さんが盛り上がるんだっていうのは
クボタ それはやっぱ、バンドの人たちがやってるのが1番盛り上がると思ってたし、あとは有名な人とか盛り上がるなと。俺のことをたぶん全然知らないと思うから、だからアクションもしないし、音だけでどれだけやれるかなっていう。でもここまでのアウェイ感は久々だったから、それが燃えて。楽しいなって、またどんどん呼んでほしいなって思った。
松本 ありがたいね
庄司 ありがたいっすね~

松本 やっつん(エレキコミック やついいちろう)とクボタさんがいるっていう対極なところで、ダイナーの2部はおもしろいんじゃないかって思ってぶつけた手前…
庄司 プロレスのガチな人と、ショー的な人ぶつけたみたいな。天龍源一郎VS桜庭和志みたいな
松本 FMWとUWFとかね それをぶつけるっていう
庄司 前田日明と大仁田厚がやるみたいな
松本 そうそうそう、大仁田厚がやっつんね!
松本 でも、特に覚えてて感動的だったのが名古屋ですよね。クボタさんの前がやっつんで、めちゃくちゃ盛り上がってた
クボタ みんな立って、座って、ジャンプ~!
庄司 サバイバルダンスでのバトンタッチだもんね。クボタさんに出てもらう前、いつもやっつんの後は俺だったんですよ
クボタ わかるでしょ?
庄司 ツライっていうか、どうしようみたいな
クボタ そういうとき盛り上がるの、自分で。もう武者ぶるい!
松本 名古屋の時は特に思ったけど、やっつんの後にクボタさんがやるって、なんとなく自分的にもブッキングした手前、どうなのかなっていうのがあるじゃないですか。やったことなくて、未知だから。そこで、やついさんとクボタさんを繋ぐ意味で俺を1回かましたほうがいのかと思ったけど、でもクボタさんに会ってみたら、自分が思ってたよりも遥かに全然違う次元で繋げていくっていうかさ。あれで俺は自信をなくしたよね、本当に
庄司 何をかけたか、曲名・アーティスト名は分からないけど、やっつんのそこをある程度請け負ったんだよね。クボタさんそこまで常備してるんだって思った
クボタ あったね~、びっくりした
庄司 石川さゆりの「ウイスキーが、お好きでしょ」かかりますからね。あれかけて、会場から「ふぅ~!」って声が上がるの、初めてみました
松本 俺も俺も。最高だったよね
庄司 忘れられない光景だよね
松本 クボタさん的に、DJ人生の中でもああいうアウェイ感は久々だったんですか?
クボタ でも毎年やってるTAICOCLUB(長野で行われている野外フェス)なんか、俺以外みんなテクノだしね。結構、どこでやってもアウェイ感バリバリだから。それは別に慣れてる
庄司 俺、それクボタさんの本で読みました
クボタ 自分のイベントでもアウェイ感あるから

松本 でもアウェイ感って、苦しいし辛いじゃないですか?お客さんがついてこなかったら・・・
クボタ ついてこなかったら辛いけど、ついてくるから全然。「バカやろう
とか思いながらやってるから。「何だお前ら」みたいな」松本 そこでブレそうになるのはなかった?
クボタ ないない。一番最初、19歳の頃、人前でDJやったCLUB CITTA’のときは、ハードコアのバンドばっかり。大先輩の、俺が大好きだったLip Creamとか、そういうバンドばっかりやってたから、もうアウェイ感どころか、もう緊張しまくりだった
松本 そもそもきっかけは何だったんですか?
クボタ セルフィッシュのイベントによく行ってたから、ボアダムスとか見に行って。それで色んな人と友達になるじゃん、周りの人と。それで、あいつレコードいっぱい持ってて音楽知ってるからやってみないかって。
庄司 レコードは、何歳くらいから集めてたんすか?
クボタ 俺、遅いんだよね。高校生までカセットテープを買ってたから。寮だったし。だから、レコード買うようになったのは二十歳くらい。遅いよ。
松本 キミドリになって、アルバム出してからも、DJはずっとやってたって事ですか?
クボタ そうだね。キミドリやってる時にレギュラーとかもらうようになって。21、22歳くらいの頃からずっとレギュラーでやってる

松本 キミドリやりながら「俺、DJのほうが向いてるな
とか思って、今のスタイルのDJに移行していったんですか?」庄司 そうか、もともとラップだよね。伝説だよね、キミドリは
クボタ そんなんじゃないんだけど、そのときは別に今ほど量は多くないし、でもライブはよくやってたね。アルバム出す前に、色々ハードコアとかパンクバンドとかとばっかりやってたね。NUKEY PIKESとか初期のHi-STANDARDとかLess Than TVとか。だって1stアルバム出したとき、「待望のアルバム」って言われてたぐらいだから、一部の人たちの間では。未だに廃盤にならないで売れ続けているらしい
第2回
松本 ちなみにキミドリ作ったとき、「日本のHIPHOPのマスターピースでしょ。」っていうのはあったんですか?
クボタ そんなことはないけど…でも若かったから、これ言っていいのかわからないけど(笑)、他のはどうでもいいよって、自分らが1番かっこいいと思ってやってた
庄司 未だに「つるみの塔」とか聞くと圧倒されるよね。

松本 キミドリやりながら、今みたいなDJ一本になった?
クボタ その時はライブやってて、DJもそんな数多くないし、DJでそんなお金もらえるわけでもなかったから。呼ばれたらやるくらいで。で、ライブずっとやってて、俺、変なところあって・・・ライブやると盛り上がるのが当たり前なのがだんだん嫌になってきて
松本 一貫してますね、クボタさんは
クボタ もちろんゴーイングだったら、ゴーイング見に来てくれるから盛り上がるわけじゃん。うちらだったら、キミドリだったらキミドリ見に来てるから盛り上がる。それが嫌になってきて。もうちょっと、その場その場で実験的なことをやりたくなってきた。全然違うお客さんの前で。だからこの前の名古屋とか良かった。全然知らない人の前でどんなふうになるかとか試されるから。ラップやっててお客さんがすごい盛り上がってるの見て、なんかちょっと冷めていっちゃって。あと俺ね、練習が嫌いだったの、基本。スタジオ入って練習したり同じ曲順で鳴らしたりするのが嫌だから、こういう世界でやってるって思ってたから。だから、もうそういうの嫌になってきて。ライブも「う~ん…」って思ってやめて。で、DJはある程度持ってったレコードの中でその場その場でやるから、そうなっていったの
松本 キミドリの頃、リミックスもやってたじゃないですか。リミックスやるのも含め、人と違うことをやりたいっていうことだったんですか?それとも頼まれたから、ちょっとやってみようかなっていう感じだったんですか?
クボタ リミックスは頼まれたからやってみようかな、くらいだった。でもそっちのほうが面白くなってきて。3人でやるよりも、1人のほうが自分の好きなことできるわけじゃん。それで音作りが面白くなっていった
庄司 一時、すごい量産してましたよね
クボタ 頼まれたの、全部やってたからね
松本 それでキミドリっていう枠じゃなくてDJクボタタケシ、リミックスもクボタタケシとして独り立ちじゃないけど、それで飯食うようになって「俺の天職、コレだな」ってだんだん気付いていったんですか?
クボタ 後からだね。全然分からない、その時は。やりたいことしかやってないから。リミックスやらなくなったのも、今、DJのほうが楽しいからとか。DJだけやって食ってる人って一握りだから、それに挑戦してみたくて。90年代終わりから、ずっとそればっかりやってるかな。2003年?2004年か。Wack Wack Rhythm Bandが最後くらいだからな、音作りの

松本 すごいね、鳥肌立つ話しですね
庄司 てか求道だ、求道。求める道
松本 そこで例えばその~
クボタ スルーされてるよ(笑)
松本 周りの反応も変わってくるわけじゃないですか?「お前すごい」「お前やってることってすごい」っていうふうにならなかったですか?
クボタ いや、俺未だにパソコンとか持たないのは、あまり情報入れないようにしてるの。ツイッターもやらないし、ブログもやらないし。だからそういうのはあまり分からない。そういう風に言ってくれるのは嬉しいけど。
松本 じゃあ、自分としては新しいことをやってるつもりは別になかったんですか?
クボタ 新しいと思って作ろうとしたら、新しいものは絶対出来ない。後から気付くことだと思うよ。だから、自分が作った作品を5年後とか10年後に聞いて、「結構これ、今っぽいな」って思う瞬間があって。例えばECDのサルサのリミックスとか、当時は「これなに?」とかよく言われたけど、今は意外と普通。キミドリもそうだけど、なんだろう、The Velvet Undergroundみたいなこと、ああいう残るものをやりたかったのね

松本 それは常に頭の中にあった?
クボタ あったね。消費されないで後に残るものがやりたいっていうのがあった。自分自身は嫌いだけど、自分の作った音とDJは好き。それがある限りは、ずっとやろうかなと思ってる。
松本 もう1つ聞いていいですか?クボタさんってミックステープ「CLASSICS」から始まって、「NEO CLASSICS」も出して、それがMIX-CDなんですけど、俺はそれを完全なる作品だと思ってる。自分もMIX-CD出してるから分かるんだけど、そのくらいになると「俺はDJだ」ってなってるわけじゃないですか、90年代終わりのテープ出し始めたときって。そういう時、しかもオールジャンルミックスって、聞く人には「これ禁じ手ばっかりだろ」って思う人もいたはずなんですけど、クボタさんの中で1本筋通すということで決めてることと、逆に絶対やらないって決めてることってあるんですか?
クボタ やり始めたら絶対ぶれないことと、今流行ってるとか、大きいシーンでもメジャーでもインディーでも、周りとかでみんな好きな音楽あるじゃん。それには染まらないようにしてる。自分がいいと思ったのしかやらないようにしてるっていうのは常に思ってる
松本 僕も庄ちゃんも何となく分かるけど、しいて言うと、クボタさんの中で「良い」ってなんですか?
クボタ ん~、なんだろうね~?その日その日、自分が良いって思ったり
松本 まったく興味なかった曲も、ある日突然、興味出てきたりすることもあるってことですか?
クボタ あるある。部屋掘りしててとか、あるもんね。ごめんね、なんか普通で(笑)
松本 いやいや全然。感慨深くなっちゃった。なんか、自分に置き換えちゃったよ
庄司 俺も俺も
クボタ いやでもね、人それぞれだから。皆が思うことは、それはそれでいいと思う。俺は「それってだけ」ってことだから
松本 頑固者ってことですか
クボタ なんだろうね
松本 「やだ、これ、俺やりたくない」って思ったら?

クボタ やりたくないことはやったことない
庄司 あと、まずクボタさんの場合は、そうふうに言われるようなところに身をおかないっていうのが先手でやってるじゃないですか
松本 なるほどな
クボタ そんなこと考えたことないよ
庄司 いや、自然と。「俺、この人イヤだな」とか、「ちょっと苦手だな」とか警報鳴るんですか?初対面でも。ウ~ウ~って!?
クボタ 鳴ってる。
庄司 警報がなるタイプだから。それね、でもいい人だったりするのよ、フラットに見ると。でも、いい人なのに警報がなる場合もあるのよ。そこには身をおかないということもある
松本 ある程度、自分の「俺はこれだ」っていうのが出来上がってきて、クボタさんだったら「最高の日本のDJ」ってなるわけじゃないですか。そこで俺はこういうふうに人に見られてるんだなっていうのは、意識せざるを得ない部分もあるんじゃないですか?
クボタ いや、だからそれは意識しないようにしてる
松本 なるほど、だからこそ意識しない
クボタ 一切意識しないし、俺雑誌とかも買わないしね。現場行って空気で感じるようにだけしてる
松本 そこは庄ちゃんとクボタさん、似てるのかもしれないですよ。サイレンがなる感じっていうのは。パッとそういう場に行ったときに、サイレンがなるってことですもんね。変な情報入れねぇ、みたいな
クボタ でも俺、あまり嫌いな人いないよ?苦手なタイプはいるけど
庄司 俺もそうなんだけど、でも理由もなく嫌いになる時とかあるのよ。で、十中八九当たってるのよ
クボタ たとえば?
庄司 (笑)いやいや、言っても分からない人多いですけど
クボタ どういうタイプ嫌いなの?
庄司 俺、基本、権力と権威アンチなんだよね。そういうのとかすごくイヤですね~。例えば、インディーズだって言うけど、インディーズっていうのは形態じゃなくて活動だと思ってる。そういうのとか、ちゃんと誇りを持ってやりたいなと思って。
松本 それ考えると俺、2人とは違うんだなってのが分かる。ダイナーのときにDJやってもそうだけど、庄ちゃんは自分のかけたい曲かける訳じゃん。クボタさんも自分の腕でガツンとやる訳だけど、俺は場の空気を見ちゃうから、そんなにかけたくない曲を4曲くらいかける。お客さんの為に(笑)
庄司 怖いは怖いよ。でもしょうがないなって。俺だけ我慢すればいいことだしって思う
クボタ 俺は全員踊ってなかったとしても、自分が楽しければいいやって思っちゃうかな。「分かってないお前らが、、、」って
庄司 その後、俺、反省しないって決めてる。反省したら人と一緒になっちゃう
松本 クボタさんは色んな現場行って、「やっちまったな
とかはないんですか?
クボタ やっちまったなって思ったときは、レコードをなるべく覚えておいてもう一回別の機会にやってみる。違う感覚で。それで盛り上がったら、「この間盛り上がんなかったお前らは、、、」ってするようにしてる
松本 すげぇな~
クボタ 俺、異常だと思うよ。よくそれでお金もらってるな~って思うもん
第3回
松本 もう一つ聞きたかったのは、「CLASSICS」のテープが、長い間廃盤だったじゃないですか。1巻から4巻まで。それこそ中古屋行ってもテープ8000円で売ってるとか。そうなったのを今CDとして再発しようかなって思ったのはなんでですか?
クボタ 単純に聞きたいと言ってくれる人が多いのと、海賊盤が高い値段でCD-Rで出てて、高い値段で買ってる人がかわいそうだなと。あと自分のテープデッキが壊れたから

松本 そこですか!
庄司 まさかの可愛いエピソード
クボタ それまで色々話きてたんだけど、じゃあいいタイミングだなって。その代わり限定でいいパッケージで、ジャケットもCDも日本でやるっていうので、コストはかかるけど
松本 クボタさんのミックステープを初めて買って聴いた時、自分の価値観が覆った。超マイナーな曲も入ってれば、どメジャーなのも入ってて、これやっていいんだって。それを当時20とか21歳くらいの時に初めて聞いた。CDだと、その下の世代の人が聴いたらどう思うんだろうな
クボタ 俺、楽しみなんだよね。でも初めて聴く人は、やっぱりびっくりしてるみたいで嬉しいよ
松本 クボタさんのスタイル、オールミックスっていうものがあって、みんな出来そうっちゃ出来そうじゃないですか。なのに、何であの後に続いていく人がいないと思います?
クボタ 分からないけど、この間、はせ(はせはじむ)曰く「お前は磁石みたいなもので、周りを引きつけたり変な方向へ持って行く力が強すぎるんだよ」ッて言ってた
松本 クボタさんは自分のDJとかミックステープとか聴いて、いいな~ってなるんですか?
クボタ あんまり聴かないんだよね。作ったときは聴き直すんだけど、それからずっと聴かないから。CLASSICS 1出たのも、もう13年前だし。その場その場で、今日お客さん踊ってたけど、俺よくないなって思うこともある
松本 そこはもう、バンドと一緒ですね。いいライブやったなと思っても、全然盛り上がってないときもあるし。
クボタ ダメなのに盛り上がってるときもあるよね。一緒一緒、ライブライブ!
松本 生モノなんだね。ちなみにレコード屋行って、「クボタタケシ」って書いてあるコメントは、あれ嬉しいものなんですか?
クボタ 恥ずかしいよ

庄司 コーナーもあるよ
クボタ 見て勉強することもあるよ。知らない曲も「クボタタケシっぽい」とか、「かけそう」って書いてるやつとか見て
庄司 内門さんの店(BALL ROOM RECORDS)とか多いよね。クボタファン必聴!とか
松本 俺、もう出てこないと思っているんです。クボタタケシを超える人は、もはや。
庄司 1ジャンルで統一したほうが出てきやすいもんね。テクノだ、ハウスだ、HIPHOPだって。
松本 クボタさん的に1ジャンルで一回全部いってみるっていう作品は考えてないんですか?前にラガ・ヒップホップ縛りでリリースしましたけど
クボタ ああいうのも好き。ああいうお題だけ出されて、その中で自分でやるっていうのは。あれは自分の中でリミックスだと思ってる

松本 って考えると、ジャズもHIPHOPもラテンも全部、それでコンパイルできるわけじゃないですか
庄司 それ聞いてみたいよね
クボタ やりたいね~
松本 どうすか、2011年にそれ。
クボタ やりたいけど、MIX-CDずっとやってたからそろそろ…飽きてはこないんだけど、そろそろ音を作りたくなってきた
松本 じゃあ、自分名義の作品っていうのも今年考えてるんですか?
クボタ まずは最初リミックス集みたいなのを出して、そこに新曲を入れてみたいな、リハビリから始めようかな
松本 リハビリ終えたら本当の作品っていうのには?
クボタ やってみたいよね。
松本 今回ミックステープ再発されたので、みんな絶対クボタさんが動くはずなんだって思ってる
松本 ECDの「俺たちに明日はない」のリミックスに、とにかくビックリしたんです、当時。狂ったほう、あのラテンなんとかのほうの…。なんであれになったんですか?
クボタ あれは2種類作って。で、エイベックスの会議で2種類出したらそっちの方がいいって言われて。あの狂ったほうを出した。で、未発表集を石田さん(ECD)がアナログで出したときに、あれを日の目に出した
松本 石田さんは何て言ってたんですか?2パターン聞いて
クボタ 両方とも好きって。でも狂ったハードコアみたいなバージョンの方をBOREDOMSのEYEちゃんが雑誌でピックアップしてくれていたのが嬉しかった。当時。
松本 クボタさんのリミックスって、わざと余計なことしないようにしてるんですか?シンプルっちゃ、シンプルだし
クボタ 自分でやってて、あんまり考えないけどね。わかんない
庄司 俺は1番好きなのはGAS BOYSの「黄昏モード」なんだよね。あれ、大橋純子ですよね?昔、ダイナーで、俺、チルアウトDJやったの覚えてない?静かなやつ。そのとき、それ俺かけたよ
クボタ あの曲、DEV LARGEもすごい好きなんだって。でも、あの曲、俺わざとドラム入れてないの。最後フェイドアウトするところからドラム入れて
庄司 今日、歌手のMariMariちゃんと会ってて、クボタさんのリミックス何曲かやったって言ってた。12インチで出てるんですか?それ、CDですか?

クボタ 10インチと、あとはCDオンリーのやつがある。CDオンリーのやつは俺もすごい気に入ってる。
庄司 へ~、チェックしてみよう。12インチはMariMariちゃんの家にあってさ
クボタ RONETTESの「Be My Baby」みたいなの作りたいと思って、フィルスぺクターサウンドみたいにして作ったの
庄司 クボタさんのDJって一貫して血が通ってて好きなんだよね。希望があるっていうか。人間がやってるっていう感じがしてさ。生音じゃないにしても、温度がある。さっき作品って言ったけど、やっぱり流れとか、こういう繋ぎで聴かせるとか
松本 MIX-CDをやってみたけど、難しい。どうやっていいかも分からなかったし。自分で生でMIX繋いでいこうと思って、羽田のほうのスタジオでターンテーブル用意してもらってやったけど、どんどんテンション下がって…
クボタ いや、ダメだったら作品出してないでしょ
松本 修行の過程だと思いました。
クボタ でもよかったよ
庄司 すごいいいよ、あれ。だって壮平(andymori 小山田壮平)とかさ、あいつの音楽って量産するリスナー体質の音楽じゃないから。とはいえ、「やっぱりエビフリャー(FRIDAY NIGHT エビフライ)好きだな」とか、バンバンバザールと対バンできて嬉しいとか言ってたよ
松本 俺は簡単にMIX-CD出来ると思っちゃったんだよね、本当言うと。
庄司 この曲はここで切らないでくれとか言われてたよね
松本 言われてたね~。縛りってどうなってんすか?
クボタ 日本語の曲、縛りあるよね。MIX-CDの日本人オンリーのやつでしょ?ああいう時は、この曲使うんだったら最後まで入れてくださいっていうのがあって、使うのやめちゃったりが結構あった
庄司 でも、布施明さんとかは大丈夫だったんですか?
クボタ あれはビックリした。ダメだと思ってて、でもそこの社長さんが聴いてみたいって言うからダメもとで送って。ダメだったらいいやって聴かせたら気に入ってくれて
庄司 「息を切らし~♪」でダダダダダダ!って入って、クボタさんのDJに慣れてないと、みんな間違ったって思うんだよね。あれが面白い
松本 テンパってるクボタさんって、たぶん誰も見たことないですよね
クボタ 結婚式のスピーチとかはテンパるけどね(笑)俺、すんごい見たことない顔すると思うよ!何千人の前でDJとかラップやっても全く緊張しないけど、スピーチとか俺ホント緊張するよ

庄司 WEEKEND SHUFFLEを前に聞いてたんですけど、一言もしゃべってなかったですよね。あの宇多丸さん(RHYMESTER)の…
クボタ TBSのやつか。あれ最初から喋るんだったらやらないって言ってたの。それで、喋らなくてもいいって言われたから出たら、士郎君(宇多丸)が話を振り始めるから、ふざけんなよ!と思って。ディレクターがずっと横にいて、「これ、生放送なんで、本当にクボタさんやってるかどうか分かるように、声くらいは出してください」ってカンペ持ってきた
庄司 今、DJ界の大滝詠一ですから。なかなか光臨しない。と、思ったら4枚一気に出すとかね。憎い!
松本 じゃあ、メディアに出るのも気分なんですか?
クボタ 雑誌は全然いいけど、テレビとかは嫌だ。テンパっちゃうのもあるし、別に俺、名前だけでいいのよ。こういう人だとかどうでもいい。名前とこういう音楽やってるってだけでいい。だからアー写もイラスト。DJもカーテンしながらやりたいもん。
松本 一回それ本当にやってほしいね
クボタ やりたい。いろんな人と。で、「今のすごいよかったね~、誰だろうね?」っていうのをやりたい
松本 真っ暗ギグってのを今度ダイナーでやりましょうか?闇鍋フィーリングでやりましょうよ。北海道とか行って。真っ暗で全く何も見えない、ずっとストロボ焚いたような状態で
クボタ でもダイナーはカーテンなくても、お客さんとしては誰がやってるか分からないと思うから
松本 いやいやいや、そんなことないっすよ!(笑)
クボタ いや、それがいいんだけど
松本 いつも俺にMIX-CD持ってくるお客さんのミックスが変わったもん(笑)Dragon Ashとか入ってたのが、チルアウトみたいになってきた。変わったね~
第4回
クボタ なんか普段飲んでる時と違うね、2人とも。スイッチ入ると
庄司 俺、基本フリートーク派なんで
松本 いやいや、全然フリートークしてもらって大丈夫っすよ
庄司 気使い、真面目なのよ。
松本 クボタさんは気使いではないですか?

クボタ 俺、結構気使っちゃう方か。分かんないけど
松本 腕いいDJって気使いいだね
クボタ だからあまり大勢の人がいるところに行かないようにしてる
庄司 前、クボタさんに電話で「今どこそこで飲んでる」って言ったら「何人いる?」って聞かれて。「10人くらいっすかね」って言ったら「あ、大丈夫っす!」って。
松本 俺、クボタさんをロックフェスとかで見てみたい。それ夢ですね
クボタ フジロックで1回やった時、すごかったよ。あとは、ずっとテクノとかのディープなフェスばっかだからね。
松本 アウェイって感じるところにガンガンいって「バカ野郎」ってやってほしいな
庄司 今年制作モードになったら、DJは必然的に減るんですか?
クボタ 減らそうと思ってたけど、もう年内はかなり…12月まで入ってるから
松本 やばいな、押さえないと。。。クボタさんは海外にレコード見つけに行ったりはしないんですか?
クボタ しないね。飛行機嫌いだもん。
松本 皆、やっきになってやるじゃないですか、旅しながら 掘るみたいな。
クボタ それは皆が欲しがるようなものを探してるからじゃない?日本でも十分
庄司 いわゆるバイヤーじゃないってことですもんね
松本 「俺これ見つけたぜ~」って思ってもどこかで見つけられてたりすると、やっぱりいいやってなっちゃうんですか?
クボタ そうだね。よっぽど良ければかけるけど、テンションは下がるよね

松本 この前、ラジオの特番がらみで大阪の日本橋に行ったんですよ。俺が日本橋のレコード屋を巡るっていうのをやったんです。めちゃくちゃ良いレコードあって。俺、ネオアコとかも普通に好きなんですけど、ディスロケーション・ダンスって分かります?あれのオリジナル盤が700円くらいで!
クボタ うっそ~!それ、再発じゃないの?
松本 再発じゃないです。
庄司 あれ、普通2万くらいするよ。ビニールじゃないの?
松本 じゃない。再発のやつはビニールって書いてあるもんね
庄司 この間クボタさんが、モノクローム・セットの12インチ出してたじゃないですか。ニューディスカバリーで。これ欲しいな~って思ってて、そしたら家にあったんだよね、7インチのが
松本 そういうのある。俺もクボタさん関連でそういうのある。売ってねぇんだよな~って思って、パッと家で見たらあったとか
クボタ 俺、12インチだもん。7インチは持ってない
庄司 交換しますか?クボタさん、7インチ好きだから
松本 なんで7インチ好きなんですか?
クボタ 可愛いから。音質いいし。なんか1曲しか入ってないの嬉しいじゃん
庄司 7インチ、12インチ、LPでしょ!で、10インチ、CD
クボタ いや、7インチ、12インチ、10インチ、LP、カセットテープ、CD
松本 コンパクト盤とかありえないっすか?33回転で4曲くらい入ってる
クボタ それもレコードだったら全然いいよ
庄司 何でレコード買っちゃうんですかね、俺ら
松本 最近それに拍車かかってきちゃって、CD聴いてると、嘘を聴いてる気になってきちゃった
庄司 それ病気じゃん
クボタ でもCD出てから25年?どうする?30年後に音がどんどん消えていっちゃったら。レコードはもう大丈夫だけど、CDはまだ5年後どうなるか分からないわけじゃん
松本 それ、かなりいい話だね。
庄司 CDは買う気にならないんだよな~
クボタ アメリカでもCD屋がどんどん潰れて、レコード屋が増えていってる。いいことだよ
松本 ビートルズも好きだから普通に聴くんですけど、もはやオリジナル盤じゃないと気持ち悪い。聴いてる意味がないんじゃないかと思っちゃう。
庄司 アメリカとイギリスので、また違うんですよね~。どっちも好きなんだよな
松本 1st買っちゃいました。1万2千円で。クボタさんも、そこのこだわりはありますよね
クボタ あるある。レコードは空気の音も入るもんね
松本 空気も入るってことはCDより、現場の音も拾ってる
庄司 でもいい音の基準ってハイブリッドじゃん、CDってどうしても。今の日本のミックスとか特にそう。日本の音源で聞いてて恥ずかしくなっちゃうMIXとかある
松本 あるあるある
庄司 頑張ってオシャレしてるみたいなさ

松本 そういう点でいうとクボタさん、MIX-CD出してるじゃないですか。音質に対しても1本筋が通ってますよね
庄司 ツイッターで見たんだけど、「CLASSICS」CD化されて、当時のぶちぶちとかも切ってないですよね
クボタ 切ってない。針とんだやつもそのままにしてるもん
松本 空気感ですよね。当時はDATとかで録ってたんですか?
クボタ そう。「STRICTLY ROCKERS」もわざわざDATで録ったから。
庄司 へ~!ぬくもり、ノスタルジー。もう在庫ないってことは、絶対新世代の人も買ってますもんね
クボタ 買ってほしいね
庄司 ムカつくのがさ、大して音楽も好きじゃないし、CDとかデータとかの癖に、Tシャツ作ります定義でアナログ盤出してくるやつ。機材とか、ターンテーブルとか持ってないだろっていう
松本 でもアナログは、最初は俺、オシャレで買ってたよ。
庄司 俺、PUNKっ子だったから、7インチしか出してないバンドとかあるじゃん。だから自然とそうなった
松本 俺、MODSっ子だったから。今でも初めて買ったアナログ覚えてるのは、Little Evaの「ロコ・モーション」の入ったLP。山野楽器池袋店で買った。それで踊ってた、家で。坊主頭で、ジャージ着て(笑)
庄司 俺なんだったかな~?パンクだったと思う。EXPLOSIONとかDischargeとかその辺かな。
松本 クボタさんは1番最初に買ったアナログは?
クボタ アナログはあんまり覚えてないんだけど、初めて自分で買ったテープはブルース・リーの「燃えよドラゴン」とか「危機一髪」とか映画音楽の入ってるやつ。銀座の歌舞伎座の横にあるレコード屋さんだったね。この間銀座行ったとき、まだあったから嬉しかった
松本 今でも持ってますか?
クボタ もちろん。物持ちいいよ~
松本 最後に、どうでもいい話なんですけど、本当に帽子によってかける音楽って変わるんですか?
一同 (笑)
庄司 それ、今、思い出したでしょ
松本 いや、ずっとこれは聞きたかったの。そんなことはないっすよね?
クボタ ないね!
庄司 じゃあ、データが間違ってたんだ
クボタ そのときは俺、色んな帽子かぶってたと思うんだよ。ハンチングもかぶってたし、ニット帽もあったし。でも最近はもうずっとこれだから。
庄司 Billabongはぶっ壊れたんですか?
クボタ ぶっ壊れて、これ作ってもらった
松本 あれだってどんだけ探してももうなかったんですもんね
クボタ そうそう。俺かぶってたBillabongあったら3万円で買うよ

庄司 あれ、デザインも渋いっすもんね。カレッジロゴみたいな。
クボタ あれ、拾ったからね
松本 うちの前のマネジャーが、「帽子、クボタさんがゴミ捨て場で拾ったらしいぞ」って話した
クボタ それは膨らましすぎだけど、CISCO RECORDSの階段の下で拾ったの
松本 あの辺でBillabongかぶってる人ってレコード買ってる人じゃないですか
クボタ なんで落ちてたんだろうね
庄司 竜ちゃん芸じゃない?クルリンパっていう。「ふざけんな!」って置いてったんじゃない?



